ひと昔前までは、男性保育士といえば「男性なのに保育士？」「大丈夫なの？」という印象を持つ方が少なからずいました。
しかし現在では、多くの保育園で男性保育士が担任クラスを持ち、乳児・幼児たちの面倒を見る様子が当たり前になりました。
では、男性保育士はどういった職場環境で働いているのでしょうか。
他の職業に就いた男性と比べて、待遇や人間関係等に苦労はあるのでしょうか。
ここでは、『男性保育士の現状』について気になるいくつかの観点で見ていきます。
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現状１．男性保育士の月収について
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地域や施設によって若干の差はありますが、３０代の男性保育士の月収の平均額は、245,457円といわれています。
さらに賞与（ボーナス）を加算すると、年収の平均額は3,584,075万円になります。
もしも他の職業に就いていたならばどうでしょうか。
３０代男性の平均年収はおおよそ438万円とされていますので、男性保育士は約80万円年収が少ないということになります。
現状２．福利厚生などの待遇面
（１）有給休暇は１年に１０日間以上与えられています。もしも有給休暇を年内に消化しなかった場合は、翌年に持ち越すことが可能です。
（２）女性保育士に与えられている「産前・産後の休暇」や「育児休暇」については、近年、男性保育士に適用されることが非常に多くなっています。この点については一般企業も同じです。
（３）慶弔休暇が与えられるのは、男性保育士・女性保育士ともに差はありません。
（４）但し、まだ正職員になっていない保育士（アルバイトやパート雇用）については育児休暇がないという場合もあります。
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保育所が男性保育士を雇用するメリット
これまで女性の仕事とされてきた保育士の仕事ですが、近年男性保育士を雇う保育所は増えています。
実際に雇ってみて、「ここが男性保育士ならではのメリット」という声には以下のようなことが挙げられます。
- 社会見学や遠足、お散歩等、園外で男児のトイレに「中まで」ついて行くことができる。
- 園内におけるままごとや、役割を決めたロールプレイング等で、「父親役」や「兄役」ができる。
- 個人差はあるが、園児の母親たちからの支持が高い男性保育士が少なくない。
男性のトイレと更衣室事情
残念ながら保育園における男性トイレおよび更衣室の環境は、不備が見られます。
男性が働きやすいかどうかという点で考えたとき、トイレや更衣室は問題といえるでしょう。
人間関係について
（１）職場内の人間関係について
園長や副園長をはじめ、職場内のほとんどは女性が占めていますので、男性保育士には馴染みにくい面はあります。
正式な会議や朝礼の場ではそれほど気になりませんが、フリーになった途端、女性保育士同士が仲良しグループのような雰囲気でおしゃべりをすることもあります。
また、あの女性保育士とこの女性保育士はプライベートでも仲が良い、あの人とあの人は相性が悪い等の、いわゆる『派閥』的なものを感じて、どのように関わっていくべきか迷う男性保育士は少なくありません。
（２）園児との関係について
一般的に男性保育士は園児には人気があることが多いようです。
男児は、男性保育士の両腕にぶら下がってみたり、体当たりで遊んでみたり、相手が男性ならではの遊び方ができることを喜びます。
また女児については、「〇〇先生だいすき」「将来は〇〇先生と結婚する」等、男性保育士をはじめて出会った年上の憧れの異性という捉え方をすることがあります。
男性保育士の似顔絵を描いたり、お手紙を書いたり、そういったものを女児からプレゼントされたことのある男性保育士は少なくないといえます。
ただし、そういったやり取りを心配する保護者も中にはいます。
「もしもうちの娘にいたずらされたら…」「体をさわられてたら…」等の危惧を持つ等です。
（３）保護者との人間関係について
入園式の頃には、我が子の担任が男性保育士であることに戸惑いを隠せない保護者は多く見られます。
保護者同士で「大丈夫なの？あのひと」等とひそひそ話をする場面もよく見られます。
ただ、前述のように園児が男性保育士になつき、帰宅してからも男性保育士の話をたくさんしてくれるようになると、保護者は女性保育士よりもむしろ「男の先生の方がいい」と好評価に転じていきます。
また、他のクラスの園児の保護者からうらやましがられることもしばしばあります。
当然ながら、園児や保護者の支持や人気を獲得できるのかどうかは男性保育士個々の腕と努力次第ですが。
男性保育士に求められているスキル
基本的にスキル面で求められることは、女性保育士と大差はありません。
しかし、男性保育士だからこその『期待』というものはあります。
具体的には、お遊戯や体操、運動会等における体力面・スポーツ面での活躍です。
しっかりと体を鍛えてきた男性保育士に、女性保育士はかなうことはありません。
跳び箱や縄跳び等の『お手本』を園児たちに見せる、ヒーロー的な存在になっていくことは保護者も職員も大いに期待している点です。
【まとめとして】
以上が男性保育士が置かれている現状です。
給与面やトイレ事情等で、他の職業に就いた男性よりも苦労があるというのは否めません。
しかしながら、通勤手当や住宅手当が用意されているところも多くなっていますし、保育園ならではの手当として『特殊残業手当』を用意していることもあります。
保育園には、他の業種にはない特殊なイベントがたくさんあります。
そういったイベントの準備や後片付けで残業がついた場合の手当という位置づけです。
今後、月収や年収が上がっていくのか否かはまだまだ未知数ですが、保育士の給与が少ないという声が多く上がり、徐々にマスコミや国が取り上げるようになった課題であることは確かです。
また、今後もさらに男性保育士が増えていくことが予想されますので、そういった男性たちが声を上げれば、トイレや更衣室問題にも徐々にメスは入っていくことが期待できます。
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